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下町の「社会的共通資本」[なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(127)]

No.4832 (2016年12月03日発行) P.73

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2016-12-02

最終更新日: 2016-11-29

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  • 還暦記念の同窓会で、地元の中学校の同窓生が集まった。「主婦の店ダイエー」の1号店が誕生したのと同じ頃に同じ街で生まれた仲間たちだ。昔のままの奴もいれば、かろうじて面影を残しているだけのもいる。

    45年というのは結構な歳月である。おもに商店街と住宅街から成り立っている下町のつくりは昔のままだが、そこにある店や風景はずいぶんと変わってしまった。

    中学校のすぐ裏に淀川がある。入学した頃は、まだ渡し船があった。のどかな時代だった。今はきれいなグラウンドになっているけれど、当時は大雨が降るとぬかるみになるような河川敷で、危険だから子ども同士で行くのは禁止されていた。

    それでも、よくつるんで遊びに行った。犬の糞に爆竹をつっこんで火をつけて、飛び散るウンコから逃げるとか、川にはいってどこまで渡っていけるかとか、今から思えばまったくのアホである。

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