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頸動脈ステント留置術(CAS)の多様化 【フィルター型デバイスの進歩により局所麻酔でのCASが可能に】

No.4802 (2016年05月07日発行) P.56

佐藤 俊 (日本医科大学脳神経外科)

森田明夫 (日本医科大学脳神経外科主任教授)

登録日: 2016-05-07

最終更新日: 2021-01-06

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SAPPHIRE,CREST(文献1)を代表とする大規模RCTの5~10年間の長期成績が出そろい,長期では頸動脈内膜剥離術(CEA)と頸動脈ステント留置術(CAS)は同等との結果が出た。さらにACT1では無症候性頸動脈狭窄にて周術期でも有意差はないとの報告がされたばかりである。
完成された手技であるCEAに対し,CASはこの10年間でデバイスの進歩によって完全性が増した。CASの主な治療方針は,順行性血流を遮断しステントを留置する方法,順行性血流を維持しながら行う方法に変化はない。しかし,血流を遮断した方法ではMO.Ma Ultra(Medtronic)の使用が可能となり,技術的に容易となった。
血流を維持した方法ではフィルター型遠位塞栓防止デバイスの精度が上がり,FilterWire EZTM(Bos-ton Scientific)においては塞栓捕捉率99.5%と言われている。血流を遮断したステント留置の場合,約10分以上遮断されるため虚血症状が出現し,通常は全身麻酔が必要となる。しかし,フィルター型デバイスは順行性血流を維持しながらCASが行えるため,局所麻酔でよい。入院日数が短縮し,全身麻酔の合併症はなくなり,手技も簡略化されるなど利点が多いことから,以前よりもこのFilterWire EZTMがよく使われるようになっている。
このように,現在のCASは様々なデバイスの精度向上で,患者個人に適した手技が選択可能になり,customized CASが可能となったと言える。

【文献】


1) Brott TG, et al:N Engl J Med. 2016;374(11):1021-31.

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