脳動脈瘤は脳動脈から発生した動脈瘤で,主として動脈分岐部に発生する囊状動脈瘤,動脈本幹に発生する紡錘状動脈瘤に大きく分類される。成人の2〜4%が保有していると考えられている。脳動脈瘤が破裂すると,くも膜下出血をきたす。日本未破裂脳動脈瘤悉皆調査(UCAS-Japan)1)によると,その年間破裂率は0.95%である。
脳動脈瘤は多くの場合,自・他覚症状をきたさないので,スクリーニングや脳ドックなどで実施するMR angiographyが診断のきっかけとなることが多い。稀に内頸動脈-後交通動脈分岐部などに生じた脳動脈瘤が,隣接した動眼神経などの脳神経を圧迫して神経症状をきたすことがある。
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