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閉塞性睡眠時無呼吸における診断基準の変化 【診断機器選択のガイドラインの早急な策定が必要】

No.4782 (2015年12月19日発行) P.55

中島正己 (埼玉医科大学耳鼻咽喉科)

加瀬康弘 (埼玉医科大学耳鼻咽喉科教授)

登録日: 2015-12-19

最終更新日: 2016-10-26

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2014年に米国睡眠学会(AASM)から睡眠障害国際分類第3版(ICSD-3)が公表され,閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の診断基準が10年ぶりに変更された。以前の診断基準では,ポリソムノグラフィー(PSG)で検査した結果,無呼吸低呼吸指数(AHI:睡眠1時間当たりの無呼吸と低呼吸の数)が5以上で,かつ日中の過度の眠気などの症状を認めることとされていた。大きな変更点としては,検査室外の睡眠検査(OCST:わが国における簡易モニター)によるAHIでもPSGと同等の基準で診断できること,AHIが5以上かつ無症状であっても,ある種の合併症(高血圧,糖尿病など)が存在すればOSAと診断されること,の2点である。
PSGによる診断が最も信頼性が高いことに疑念の余地はないが,昨今の医療経済学的な側面から,全例で施行することが難しくなっている現状にある。AASMでは,OCSTの適応をガイドラインで規定しており,診断基準との整合性が保たれるようにしている。
しかし,わが国では診断機器の選択は医療従事者の判断にゆだねられているため,診断を下す際に混乱が生じることが予想される。そのため,わが国の現状に即した診断機器選択のガイドラインを早急に作成する必要性があると考える。また,診断基準の変更に伴いOSAと診断される患者の数は相当数増加すると考えられる。特に合併症を有するOSA患者の診療について,今後,予防医学を見据えた対応が期待されていることが推察される。

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