株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

唾液腺・甲状腺手術における神経モニタリング

No.4763 (2015年08月08日発行) P.54

八木正夫 (関西医科大学附属枚方病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科講師)

友田幸一 (関西医科大学附属枚方病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科教授)

登録日: 2015-08-08

最終更新日: 2016-10-26

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

頭頸部領域の手術は,多くの脳神経が術野に現れ,それを確認し,できる限り温存することが求められる。術中神経モニタリングは,脳神経外科,脊椎外科では必須となりつつある。唾液腺および甲状腺手術においても,神経モニタリングを簡便に実施できる機器であるNIM-レスポンス神経刺激モニター(日本メドトロニック社)などの普及と,その手術医療機器加算への新規収載とともに,神経モニタリングが用いられる機会が増えている。
上記システムは電極を神経支配筋に刺入し,筋電図と音(筋の収縮を変換)で認識・感知する装置で,神経プローブでの刺激だけでなく,手術操作による神経への物理的刺激によっても音を発するため,神経損傷の回避に役立つ。近年普及してきた表面電極付挿管チューブを用いれば,同様に声帯筋の筋活動をとらえられる。ただし,電気メスなどの機器使用時にはモニタリングがキャンセルされることや,電極の位置により反応が一定でないことなど,さらなる精度向上が望まれる。
また,甲状腺および耳下腺手術における神経モニタリングのsystematic reviewによれば,いずれも永久麻痺率を低下させる効果は出ていない(顔面神経の一時麻痺率は低下)(文献1,2)。しかし,患者QOLの向上のみならず,術者の負担軽減や手術関係者間での情報共有など利点は多く,愛護的操作を促す補助として今後ますます普及すると思われる。

【文献】


1) Pisanu A, et al:J Surg Res. 2014;188(1):152-61.
2) Sood AJ, et al:Otolaryngol Head Neck Surg. 2015;152(4):631-7.

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

関連求人情報

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top