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好酸球性副鼻腔炎に対する新たな治療戦略

No.4753 (2015年05月30日発行) P.55

小林良樹 (関西医科大学耳鼻咽喉科・ 頭頸部外科)

友田幸一 (関西医科大学附属枚方病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科教授)

登録日: 2015-05-30

最終更新日: 2016-10-26

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嗅覚障害,両側鼻ポリープ,篩骨洞優位のCT陰影が臨床的特徴である,末梢血および組織中好酸球増加を伴う好酸球性副鼻腔炎(eosinophilic chronic rhinosinusitis:ECRS)が最近注目されている。
ECRSは難治性,易再発性であり,手術介入後も6年で50%が再発する(文献1)。ステロイド反応性は比較的良好であるものの,解剖学的構造から鼻噴霧ステロイドの炎症局所への到達度は低く,局所薬でのコントロールが困難であることが多い。さらに,再発リスクファクターとして知られる気管支喘息を高率に合併することからも,上・下気道を含めた好酸球性気道炎症として包括的にケアする必要性が問われている。
この好酸球性気道炎症に対する新しいアプローチとして,エアロゾルタイプの吸入ステロイドの経鼻呼出療法((1)スペーサーを介して吸入,(2)2~3秒の息こらえ,(3)口を閉じた状態で鼻からゆっくり呼出)が実践され,その治療効果が確認されている(文献2)。エアロゾルは吸入後も一部気道内で浮遊し,経口吸入・経鼻呼出した場合,吸気相・呼気相の両方で中鼻道・嗅裂方向へ飛散する。炎症局所への飛散・沈着の増加が効果発現のポイントとなる。今後,さらなる症例の蓄積が待たれる。

【文献】


1) 藤枝重治, 他:アレルギー. 2015;64(1):38-45.
2) Kobayashi Y, et al:Int J Clin Pharmacol Ther. 2014;52(10):914-9.

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