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難治性てんかんに対する新しい緩和的外科治療:迷走神経刺激術

No.4735 (2015年01月24日発行) P.50

片桐匡弥 (広島大学脳神経外科)

栗栖 薫 (広島大学脳神経外科教授)

登録日: 2015-01-24

最終更新日: 2021-01-06

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従来,手術可能な難治性てんかんには,(1)内側側頭葉てんかん,(2)器質病変が検出された部分てんかん,(3)器質病変を認めない部分てんかん,(4)片側半球の広範な病変による部分てんかん,(5)失立発作を持つ難治てんかん,がある(文献1)。
内側側頭葉てんかんに対する外科的介入は,その有用性が確立されており(文献2),海馬切除により高率に発作消失が得られる(文献2)。一方,そのほかのてんかんに対しても高性能MRIや脳磁図などの先進技術の導入により,焦点局在診断や術後の発作消失率が向上しつつある。しかし,これらの技術を用いても,焦点が不明あるいは切除不可能例や全般てんかんなどに対しては,主に失立発作に対する脳梁離断術を除いて,有効な外科的手段がなかった。
このような現状の中で,2010年1月に,わが国においてもようやく迷走神経刺激術(VNS)が薬事承認された。VNSは,開頭術の適応がない,もしくは効果がなかった場合に行う緩和術であり,海外においては,7万例以上(2013年現在)に施行されている。60%の患者で,平均50%の発作減少が得られると報告されている(文献3)。一方,作用機序やさらに詳細な適応など不明な点も多く,今後の解明が待たれる。

【文献】


1) 日本神経学会, 監:てんかん治療ガイドライン2010. 医学書院, 2010.
2) Wiebe S, et al:N Engl J Med. 2001;345(5):311-8.
3) Elliott RE, et al:Epilepsy Behav. 2011;20(1): 57-63.

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