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悪性神経膠腫に対するギリアデルRの効果

No.4719 (2014年10月04日発行) P.54

若林俊彦 (名古屋大学脳神経外科教授)

登録日: 2014-10-04

最終更新日: 2021-01-06

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カルムスチン脳内留置用薬(BCNU,ギリアデルR)は,ニトロソウレア系アルキル化薬で細胞内DNAをアルキル化し,核酸合成を阻害することで細胞周期の停止およびアポトーシスを誘導し,抗腫瘍効果を発揮するカルムスチンを生体内分解性のポリマー基剤に含んだ脳内留置用の徐放性製剤である。本薬剤1枚にカルムスチン7.7mgを有し,開頭腫瘍摘出時に切除断面の大きさや形状に応じて,1回に8枚(61.6mg)まで留置使用が可能で,術直後から治療を開始できる,およそ百円硬貨サイズの局所投与型の抗癌剤である。
1995年に再発悪性神経膠腫を対象としたプラセボ群との比較試験の結果が報告され,膠芽腫患者のみでの解析でも,6カ月生存率はカルムスチン脳内留置用薬群55.6%,プラセボ群35.6%となり,カルムスチン脳内留置用薬群で有意な上昇を認めた。
Westphalら(文献1)は,初発悪性神経膠腫240例に対して腫瘍切除時にカルムスチン脳内留置用薬を留置し,留置後14日以降に局所放射線療法の併用を行った。全生存期間の中央値はカルムスチン脳内留置用薬群13.8カ月,プラセボ群11.6カ月で有意な延長が認められた。
わが国では2012年9月に「悪性神経膠腫」への適応となって承認,2013年1月より臨床使用が開始され,国内臨床試験成績の結果が報告されはじめている(文献2)。

【文献】


1) Westphal M, et al:Acta Neurochir (Wien). 2006; 148(3):269-75.
2) Aoki T, et al:Neurol Med Chir (Tokyo). 2014;54 (4):290-301.

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