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インフリキシマブによるベーチェット病眼症の治療

No.4711 (2014年08月09日発行) P.56

武田篤信 (九州大学眼科)

登録日: 2014-08-09

最終更新日: 2016-10-26

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ベーチェット病眼症による視力障害は繰り返す眼炎症発作による網脈絡膜障害に起因し,発症後4年で50~90%が社会的失明に至っていた(文献1)。このため,治療は眼炎症発作の重症度を軽減し,かつ発作の頻度を減らすことにより網脈絡膜障害を抑えることが主眼となる。従来,コルヒチンやシクロスポリン,ステロイドなどの免疫抑制剤により治療されてきたが,重症例では決定的治療とはならず失明に至る症例も少なくなかった。
インフリキシマブ(IFX)はマウス抗ヒトTNF-αキメラ型モノクローナル抗体で,わが国では2002年にクローン病で認可を受けて以来,関節リウマチ,乾癬などの自己免疫疾患の治療に用いられ,その有効性が示されてきた生物学的製剤である。
2007年1月にIFXがベーチェット病による難治性ぶどう膜炎にも認可されて以降,ベーチェット病眼症の画期的な治療薬となっている。わが国の多施設におけるIFXのベーチェット病眼症に対する治療効果の検討によると,IFX治療開始後1年間で,重篤な有害事象はみられず,90%以上の症例でぶどう膜炎が改善されていた。眼発作の平均回数も有意に減少し,44%の症例では眼炎症発作がまったくみられなかったと報告している(文献2)。
今後の問題点として,IFX長期投与例における悪性腫瘍や感染症発現リスクの上昇,抗IFX抗体の出現などによるIFXの血中濃度低下に伴う治療効果減弱(二次無効)症例の増加などが挙げられる。

【文献】


1) Evereklioglu C:Surv Ophthalmol. 2005;50(4): 297-350.
2) Okada AA, et al:Arch Ophthalmol. 2012;130(5): 592-8.

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