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わが国における肥満外科手術の現状と今後の展望

No.4711 (2014年08月09日発行) P.54

阪倉長平 (京都府立医科大学消化器外科准教授)

大辻英吾 (京都府立医科大学消化器外科教授)

登録日: 2014-08-09

最終更新日: 2016-10-26

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肥満症治療として内科的治療のみでは十分な減量を得ることはしばしば困難である。重症肥満に対して必要かつ十分な減量を得て,体重の再増加がないことが期待できる唯一の治療法が外科治療とされている。さらに肥満手術によって糖尿病,脂質異常症,高血圧などメタボリックシンドロームが効果的に治療されることから,メタボリックサージャリー(代謝手術)とも呼称されている。
わが国では,2010年までに国内16施設568例の手術例が報告されている。国内での減量手術適応基準は,日本肥満症治療学会09年度のステートメントによる(1)BMI≧35kg/m2かつ深刻な肥満合併症(糖尿病,睡眠時無呼吸症候群,腰部下肢の関節疾患など)を有するもの,(2)BMI≧40kg/m2以上のもの,が一般的とされている。
これまで肥満外科手術は,胃容量を減少させる腹腔鏡下スリーブ状胃切除が主として行われてきた。そして欧米では,肥満合併症に対する改善効果や死亡率低減効果,医療費抑制効果が知られている(文献1,2)。
肥満手術は習熟した外科医によって肥満手術に必要な機器設備,体制が整っている状況で行われることが望ましい。また,一般的に病的肥満患者では精神面でのケアや栄養管理など様々な工夫を要する場合が多く,外科手術導入や術後フォローアップには外科医のみでなく,専門の内科医,精神科医,管理栄養士,看護師,理学療法士などのチーム医療が重要と考えられる。

【文献】


1) Sjostrom L, et al:N Engl J Med. 2007;357(8): 741-52.
2) Kasama K, et al:Obes Surg. 2008;18(11):1473-8.

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