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作業療法士と理学療法士の資格・業務とその違いは?

No.4827 (2016年10月29日発行) P.68

石川隆志 (秋田大学大学院医学系研究科作業療法学講座 教授)

登録日: 2016-10-26

最終更新日: 2016-10-25

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  • 当院の整形外科外来では,患者のリハビリテーションのため,「理学療法士」のほかに「作業療法士」が勤務している。精神科での作業療法(SST)における作業療法士は聞いたことがある。そこで,理学療法士と作業療法士の資格について,その違い,業務としてどのようなことが許可されているのか,ご教示下さい。

    (質問者:岐阜県 K)


    【回答】

    理学療法士と作業療法士は,理学療法士及び作業療法士法(昭和40年6月29日法律第137号,最終改正:平成26年6月4日法律第51号)1)にて,以下のように定義され業務内容が示されています。

    (定義)
    第2条 この法律で「理学療法」とは,身体に障害のある者に対し,主としてその基本的動作能力の回復を図るため,治療体操その他の運動を行なわせ,及び電気刺激,マツサージ,温熱その他の物理的手段を加えることをいう。
    2 この法律で「作業療法」とは,身体又は精神に障害のある者に対し,主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため,手芸,工作その他の作業を行なわせることをいう。
    3 この法律で「理学療法士」とは,厚生労働大臣の免許を受けて,理学療法士の名称を用いて,医師の指示の下に,理学療法を行なうことを業とする者をいう。
    4 この法律で「作業療法士」とは,厚生労働大臣の免許を受けて,作業療法士の名称を用いて,医師の指示の下に,作業療法を行なうことを業とする者をいう。

    (業務)
    第15条 理学療法士又は作業療法士は,保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)第31条第1項及び第32条の規定にかかわらず,診療の補助として理学療法又は作業療法を行なうことを業とすることができる。

    法律の定義では,対象,目的,手段が理学療法と作業療法では異なっていることが示され,法律の業務では診療の補助として理学療法または作業療法を行うことの根拠が示されています。

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