【Q】
超高齢社会の中,救急車の出動件数は全国で増加傾向にあり,救急病院や救急隊からは疲弊の声が聞かれます。不適切な搬送もある一方で,どのような症状なら病院にかかるべきか,どのような状況なら救急車を利用すべきかがよくわからないと訴える方々も,救急外来では多く見受けられます。このような方々に迅速な救急医療を提供し,また救急車の適正利用を広報するためには,どのような取り組みがありますか。ご回答は白鬚橋病院・石原 哲先生にお願いします。【A】
救急需要対策については,これまで総務省消防庁でも様々な対策が検討されています。このうち,2005年に総務省消防庁が検討し,翌年3月に取りまとめられた報告書においては,救急自動車の適正利用に係る周知啓発活動の推進,119番による救急車要請時や救急現場におけるトリアージシステムの確立などが求められています。また,傷病者の重症度・緊急度の判断基準を定め,基準に基づく対応体制の導入について議論されています。