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帯状疱疹の献血における危険性

No.4720 (2014年10月11日発行) P.60

蘆田隆司 (近畿大学医学部附属病院輸血・細胞治療センター副センター長)

登録日: 2014-10-11

最終更新日: 2016-10-18

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【Q】

帯状疱疹患者が献血に参加しても問題はないか。 (山口県 Y)

【A】

帯状疱疹の原因ウイルスである水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus:VZV)は,呼吸気道の粘膜から侵入し,侵入部位の局所でウイルスの増殖が起こり,さらにウイルスは血流を介して全身に拡散する(文献1,2)。したがって,帯状疱疹患者の血液中にはウイルスが混在していると考えられ,帯状疱疹患者から採取した血液は血液製剤として用いることはできない。
日本赤十字社では,「献血をご遠慮いただく場合」として,「当日の体調不良,服薬中,発熱等の方」などを挙げている。また,献血前の問診で用いる内部資料の「問診マニュアル」において,「帯状疱疹は完治して3週間を経過すれば献血が可能」としている。
VZVは,初感染後は不活性の状態で後根神経節細胞内に潜伏し,宿主の免疫能低下やほかの誘因によって再活性化される(文献1)。帯状疱疹の既往のある人では神経節細胞内にウイルスが潜伏しているが,治癒していれば献血は可能である。参考までに日本骨髄バンクのドナーコーディネートに関する判定基準(文献3)を記す。その判定基準では「帯状疱疹については,治癒後3週間を経過すれば可」と記載されている。

【文献】


1) 奥野良信:内科学. 金澤一郎, 他 編. 医学書院, 2006, p489.
2) 伊藤 章, 他:内科学書1. 島田 馨, 編. 中山書店, 2002, p1123.
3) 財団法人骨髄移植推進財団:ドナー適格性判定基準. 2010, p31.

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