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大細胞型B細胞リンパ腫におけるCD20発現の程度によるエプコリタマブの効果の差は?

No.5211 (2024年03月09日発行) P.49

淵田真一 (京都鞍馬口医療センター統括診療部長/血液内科・輸血部部長)

蒔田真一 (国立がん研究センター中央病院血液腫瘍科)

登録日: 2024-03-08

最終更新日: 2024-03-05

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  • 再発または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫にエプコリタマブが投与可能になりました。抗CD20抗体治療後再発例において,リンパ腫細胞上のCD20発現の程度によってエプコリタマブの効果に差はありますか。
    国立がん研究センター中央病院・蒔田真一先生にご教示をお願いします。

    【質問者】淵田真一 京都鞍馬口医療センター統括診療部長/血液内科・輸血部部長


    【回答】

    【CD20の発現が減弱している症例におけるエプコリタマブの有効性に関して十分なデータはない。治療開始前に再生検を行うことが重要である】

    エプコリタマブを含む抗CD20/CD3二重特異性抗体(bispecific antibody:BsAb)は,その効果の発現に関して,CD20抗原に依存していることから1),治療開始前に再生検を実施し,免疫組織化学あるいはフローサイトメトリーにより,CD20の発現を確認することが重要です。これまで行われてきた抗CD20/CD3-BsAbのpivotal studiesにおいても,試験登録前の生検検体において病理組織学的にCD20の発現が確認されていることは,適格規準に含まれる重要な確認事項でした2)

    CD20に関しては,治療の過程で陰性化する現象は頻繁に経験されます。当院の後方視的検討では,初発時にCD20陽性でrituximab-containing regimenによる治療を受け再発/再燃した252人のB細胞リンパ腫患者のうち,26%がCD20陰性あるいは発現低下をきたしていました3)。抗CD 20/CD3-BsAbを行う場合には,ぜひ再生検を施行し,CD20の発現を確認されることをお勧めいたします。

    抗CD20/CD3-BsAb後のCD20陰性化は,比較的頻度の高い再発機序のひとつです4)。また,事前に生検によりCD20の発現を確認できたとしても,病変によって発現レベルが異なっている場合や,CD20陰性のsubcloneが既に存在している可能性も示唆されています。このため,抗CD20/CD3-BsAbを投与すると,CD20陽性成分は縮小しますが, CD20陰性のcomponentがむしろ増悪するという現象がしばしば経験されます。エプコリタマブの投与中に,一部の病変は縮小するにもかかわらず,ほかに増悪する病変がある場合は,CD20陰性成分が主体となって病勢が進行している可能性があります。こういった場合にも再生検を行うことをお勧めします。

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