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■NEWS 【国際脳卒中学会(ISC)】COVID-19ワクチンは脳MRI血管系所見に悪影響を与えず

登録日: 2024-02-19

最終更新日: 2024-02-20

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COVID-19に対するmRNAワクチンは、前例のない技術を用いていることもあり安全性を懸念する向きもあった。同ワクチンによる脳血管障害リスク増加もその1つである。ただし観察研究の結果は一致しない。そこで直接、脳MRI所見で比較しようと思い立ったのが、香港中文大学のIp Yiu Ming Bonaventure氏である。その結果、COVID-19ワクチンはmRNA型、従来型のいずれも、非接種例に比べ脳MRI所見を増悪させないことが明らかになった。2月7日から米国フェニックス(アリゾナ州)で開催された国際脳卒中学会(ISC)で報告された。

【背景】

COVID-19に対するmRNAワクチンが発現を誘導するスパイク蛋白は理論上、ACE2受容体に結合する。ACE2は心血管系保護的に作用するため、スパイク蛋白過結合による同受容体のダウンレギュレーションなどを介してACE2の作用が減弱するのであれば、「mRNAワクチンによる心血管系(CV)障害惹起」も「理屈」としては否定できない。

【対象】

解析対象となったのは40歳以上でパンデミック前の脳MRI画像と血液検査結果があり、かつ神経疾患を認めない415例である。登録後の COVID-19ワクチン接種状況に従い、以下の3群に分けた。すなわち、BNT162b2(ファイザー・ビオンテック社製mRNAワクチン)接種群(190例)、CoronaVac(シノバック社製・不活性化ウィルスワクチン)接種群(152例)、ワクチン非接種群(73例)である。

【方法】

ワクチン接種群では最後の接種から1220週間後に「脳MRI」を実施した。非接種群でも同様に、パンデミック前脳MRI実施からの期間が接種群と同等になるタイミングで「脳MRI」を実施した。評価されたのは「脳血管系異常所見」で、「白質病変進展、新規微小出血・微小梗塞、血管周囲腔拡大、新規ラクナ梗塞、新規頭蓋内動脈狭窄閉塞性病変、新規動脈瘤」を複合して評価した。

【結果】

・脳血管系異常所見陽性率

全体の26.3%に新規の「脳血管系異常所見」を認めた。

・ワクチン接種による影響0

ただしワクチン接種の有無は「脳血管系異常所見」リスクに影響を与えていなかった。すなわち、非接種群と比べた「MRI上脳異常所見」オッズ比(OR)は、年齢・性別・COVID-19感染・観察開始時MRI諸所見補正後、mRNAワクチン接種群で0.7795%信頼区間[CI]:0.37-1.59)、不活性化ワクチン接種群でも0.5195%CI0.25-1.06)だった。またmRNAワクチン接種群と不活性化ワクチン接種群間で比較しても、「MRI上脳異常所見」ORに有意差はなかった。

余談までに記すと、「高脂血症」の「MRI上脳異常所見」OR1.81の有意高値だった(95%CI1.02-3.19)。ワクチン絡みで「脳の安全」が気になる人たちは、まずこちらを心配すべきではないか。

本研究はHong Kong Research Grants Councilから資金提供を受けた。

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