株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

加齢黄斑変性[私の治療]

No.5190 (2023年10月14日発行) P.46

村田敏規 (信州大学医学部眼科学教室教授)

家里康弘 (信州大学医学部眼科学教室)

登録日: 2023-10-16

最終更新日: 2023-10-10

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 加齢により網膜の中心部の黄斑が障害される疾患で,中途失明原因の第4位である。網膜の黄斑部に出血や浮腫を伴う滲出型と,網膜が萎縮・菲薄化していく萎縮型に分類される1)。眼内注射などの治療を行うが再発も多く,定期的な治療が必要である。

    ▶診断のポイント

    視力低下や歪視を主訴に受診する。網膜静脈分枝閉塞症や糖尿病黄斑浮腫などとの鑑別が重要で,蛍光眼底造影検査が有用である。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    滲出型は主にVEGF阻害薬の眼内局所注射が行われる。一方で萎縮型は現在のところ治療法がない。診断には造影剤を用いた蛍光眼底造影検査が必須であるが,近年,光干渉断層計(OCT)や光干渉断層血管撮影(OCT-angiography)の進歩によって非侵襲的な診断が可能になりつつある。また,滲出型加齢黄斑変性の中でも日本人に多いサブタイプであるポリープ状脈絡膜血管症は,急激な網膜下・硝子体出血などをきたす可能性があり,早期の診断とともに積極的な治療が必要である。

    治療はVEGF阻害薬の眼内局所注射が第一選択であるが,症例により光線力学的療法やレーザー治療も行われる。VEGF阻害薬による治療も病勢のコントロールのために定期的な注射が必要となるため,長期的な視点や患者の生活状況などに応じて個別化した治療戦略が欠かせない。

    高齢者に頻度の高い疾患であるため,脳卒中など心血管系の基礎疾患を有している可能性が高いが,薬剤特性上,全身疾患についても留意が必要であり,積極的な問診による評価を忘れないようにしたい。また,僚眼の発症予防のためサプリメントが推奨される。

    【治療上の一般的注意】

    脳卒中または一過性脳虚血発作の既往歴等の脳卒中の危険因子のある者,妊婦または妊娠している可能性のある女性には注意が必要である。特に発症6カ月以内の脳卒中患者は臨床試験で除外されており,可能であれば1年以上はあけることが望ましいと考える2)。また,硝子体内注射における詳細な注意点はガイドライン3)を参照されたい。

    残り832文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    関連物件情報

    もっと見る

    page top