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ドライアイ[私の治療]

No.5184 (2023年09月02日発行) P.43

横井則彦 (京都府立医科大学眼科学教室客員教授)

登録日: 2023-08-31

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  • ドライアイとは,「様々な要因により,涙液層の安定性が低下する疾患であり,眼不快感や視機能異常を生じ,眼表面の障害を伴うことがある」と定義される。様々な内因(加齢,疾患,女性など),外因(生活環境,ライフスタイル,疾患の治療など)が関係する,最も多い眼表面疾患である。涙液減少型,水濡れ性低下型,蒸発亢進型,の3つの病型に区別され,開瞼維持時の涙液層の破壊と瞬目時の摩擦亢進が病態に関与する。

    ▶診断のポイント

    眼不快感(症状の主体),視機能異常の症状を聴取し,涙液をフルオレセインで染色し,開瞼とその維持におけるフルオレセイン破壊時間を3回計測して平均し,5秒以下であればドライアイと診断される。

    フルオレセイン破壊パターン(fluorescein breakup pattern:FBUP)を評価すれば,ドライアイの病型まで診断が可能で,眼表面の層別診断(不足成分を看破),眼表面の層別治療(不足成分の補充)が可能となる。

    瞬目摩擦の亢進が関与する疾患(瞬目摩擦関連疾患)である糸状角膜炎(FK),結膜弛緩症(CCh),上輪部角結膜炎(SLK),lid-wiper epitheliopathy(LWE)は,特徴的な所見を頼りに個別に診断する。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    FBUPから,①涙液減少型ドライアイ(ADDE),②水濡れ性低下型ドライアイ(DWDE),③蒸発亢進型ドライアイ(IEDE),が鑑別診断できるが,ADDEは瞬目摩擦関連疾患を合併しやすいため,その合併の有無も確認する。治療は,ADDEでは上皮障害の軽減,DWDEではFBUPがrandom breakになり,IEDEではフルオレセイン破壊時間(FBUT)が5秒を超えることを目標とする。涙液層破壊や瞬目摩擦亢進は,結果として眼表面炎症を伴うため,それも治療の切り口となる。

    中等症までのADDEにはジクアスLX点眼液(ジクアホソルナトリウム)を選択し,重症のADDEには上・下涙点への涙点プラグ挿入を行う。DWDEにはジクアスLX点眼液,またはムコスタ点眼液(レバミピド)を選択し,IEDEにはヒアレイン点眼液(精製ヒアルロン酸ナトリウム)や人工涙液を基本とする。

    瞬目摩擦関連疾患には,ムコスタ点眼液で効果がなければ手術を考慮する。FKに対する眼瞼下垂手術および,CChやSLKに対する手術がある。

    ジクアスLX点眼液は眼刺激感,眼脂増加,ムコスタ点眼液は苦味の副作用があるため,投薬前に説明しておく。

    眼表面炎症に対する治療として,治療開始から1カ月,その後は症状の増悪時にフルメトロン0.1%点眼液(フルオロメトロン)を1日2回使用するが,眼圧上昇や眼感染症の発症に注意する。

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