お知らせ
抗AQP4抗体，抗MOG抗体の目への影響について
抗アクアポリン（AQP）4抗体，抗ミエリンオリゴデンドロサイト糖蛋白（MOG）抗体の目への影響について，眼科医が注意すべきこと・知っておくべきことについてご教示下さい。
新潟大学・植木智志先生にご解説をお願いいたします。
【質問者】後関利明 国際医療福祉大学熱海病院眼科部長・准教授
【回答】
【抗AQP4抗体陽性もしくは抗MOG抗体陽性の症例では視神経炎を発症する可能性がある】
抗AQP4抗体，抗MOG抗体のどちらも視神経炎を発症しうる神経疾患に特異的な自己抗体です。
抗AQP4抗体は，生体の水チャネルであるアクアポリンのひとつであるアクアポリン4に対する自己抗体で，視神経脊髄炎スペクトラムに特異的な自己抗体です。視神経脊髄炎スペクトラムでは高率に視神経炎を発症し，また視神経炎の重症度も高いことが知られているため，抗AQP4抗体の目への影響は非常に大きいと言えます。
抗MOG抗体は，神経線維を取り囲む髄鞘を構成するミエリンオリゴデンドロサイト糖蛋白質に対する自己抗体で，近年では抗MOG抗体関連疾患という疾患概念が提唱されています。抗MOG抗体関連疾患も高率に視神経炎を発症するため，抗MOG抗体も目への影響は大きいと言えます。抗MOG抗体関連疾患に発症した視神経炎は再発が多くみられることが知られています。
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