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検案医の技能向上へ全国で研修 - 内閣府検討会が最終報告書案を了承 [死因究明推進計画]

No.4695 (2014年04月19日発行) P.13

登録日: 2014-04-19

最終更新日: 2016-11-16

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【概要】内閣府の「死因究明等推進計画検討会」は11日、死因の明らかでない死体の検案を行う医師の技能向上に向け、研修拡充などの計画を盛り込んだ最終報告書案を了承した。


犯罪死の見逃し防止を目的として2012年から検討されてきたもの。報告書は与党内の議論を経て「死因究明推進会議」(会長=菅義偉官房長官)に提出。「推進計画」としてまとめられた後、6月頃に閣議決定される見通し。
最終報告書案に盛り込まれた、政府や各省庁が当面取り組むとしている重点施策は下掲の通り。
このうち検案医の研修については、厚生労働省が日本医師会に委託する。現在全国で検案を担当している約4000人の医師の技能向上が目的。4日間の日程で、CTやMRIを利用した死亡時画像診断(Ai)の読影結果と解剖結果の比較などについて講習を行うほか、都道府県警察の協力の下で解剖の実習も組み込む。5年後をメドに、研修を受けたすべての医師が警察等への立会・検案を実施できるよう努めるとしている。
報告書はこれに加えて、すべての医師の検案能力を一定以上に維持するため、厚労省が医療関係団体を通じて日医の大規模災害や在宅死を想定した研修に参加するよう働き掛けるとしている。
現在、多くの地域では、法医学を専門としない臨床医が検案医を兼任しているが、同検討会は「研修に参加する医師が増えることで検案の質の地域格差を縮小できる」と期待している。
●検案医向けAi活用マニュアル作成へ
Aiの活用に関する施策では、厚労省が検案医向けのマニュアルの作成に取り組む。小児死亡例に対するAiの情報をモデル的に収集。その結果を踏まえ、5年後をメドにAi全体のあり方を含めた検討を行うとしている。
●都道府県に協議会の設置を要請
政府は死因究明推進に向け、警察庁、厚労省など関係省庁の施策を総合的に管理・調整する体制を構築するとしている。具体的には、閣議決定後、死因究明に関する施策の策定・検証を行う閣僚級会議を発足させる予定だ。
また、地方に対しては、知事部局、都道府県警察、都道府県医師会、大学などの代表者で構成する協議会の設置を要請。各地域の状況に応じた計画の検討を行うよう求めている。


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