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厚労省のガイドラインは「あくまで参考」 - 拘束力否定、医師会の協議への積極的関与求める [地域医療ビジョン]

No.4695 (2014年04月19日発行) P.12

登録日: 2014-04-19

最終更新日: 2016-11-15

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【概要】地域医療ビジョン策定のため厚生労働省が今年度中に作るガイドラインについて、中川俊男日本医師会副会長は「あくまでも参考」としてその拘束力を否定した。


日本医師会が11日に開いた都道府県医師会地域医療ビジョン担当理事連絡協議会で中川副会長は、病床機能報告制度は、「あくまでも自主的な報告制度であり、今後も決して認定制度、登録制度に変容していかないよう注視していく」と強調した。 

●報告制度は7月以降に施行
一方、厚労省の土生栄二医政局総務課長は、医療機関から報告された病床機能情報や医療需要の将来推計を基に、都道府県が二次医療圏ごとに策定する「地域医療ビジョン」について解説。今通常国会で審議入りした医療・介護総合確保推進法案が会期中に成立すれば、報告制度は7月以降、正式に施行する方針を明らかにした。
ビジョンの内容は別掲の通り。土生氏は、都道府県や医療関係者が参加する検討会を新たに設置して、今年度中にビジョン策定のためのガイドライン(GL)を策定するとした。
全体協議では、都道府県医師会からGLの拘束力を懸念する声が相次いだ。
「GLの内容次第で、医療機関の経営に多大な影響が出る」(京都府医)という指摘に、厚労省医政局指導課の佐々木昌弘在宅医療推進室長は、「GLは通知レベルで、形式論で言うと拘束力はないが、かなり拘束力を持ったような運用のされ方をする。現実に一朝一夕で変わりうるものではなく、都道府県が金科玉条のように、『もうGLでこうなっていますから』という態度で臨んでくることも想定して、十分内容を吟味したい」と回答。
「(必要医師数など)あまりきちきちに全国同じ計算式だと実効性のないGLになるので、現実的な幅を含めて項目を設定していく。医療機関にとっては縛られる性格のものかもしれないが、市場原理に委ねれば、特定のところが医師も看護師もごっそり抱えてしまう。項目作りについては日医とよく考えていきたい」と述べ、理解を求めた。
これには中川氏が、「室長の説明はちょっと違う。GLはあくまで参考に過ぎないと一番最初に書いてもらう。そうでなければ(ビジョン策定に当たり都道府県が)『協議の場』を設置する意味がなくなる」と強く打ち消した。

●人頭割り定額制導入を危惧する声も
全体協議ではまた、「地域医療ビジョンでは、総合診療医の診療科や医師数が二次医療圏ごとに規定され、在宅とゲートキーパー機能が中心となり、人頭割り定額制が導入されることも危惧される」(奈良県医)という指摘もあった。
土生氏は、「厚労省としては、国民皆保険堅持とフリーアクセスの原則を維持しながら、(規制改革会議など)政府内のそうでない意見には厳正に対応する」という姿勢を見せた。

【記者の眼】中川氏は「2025年の医療提供体制改革と地域包括ケアシステムの構築は、国民の合意に近くなっている」とも指摘した。かかりつけ医機能の適正評価のためにも、ビジョン策定への医師会の主導的関与が欠かせない。(M)

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