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■NEWS リフィル処方箋、発行に消極的な施設が大勢を占める結果に―改定結果検証特別調査

No.5163 (2023年04月08日発行) P.70

登録日: 2023-03-31

最終更新日: 2023-03-30

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322日の中央社会保険医療協議会には、2022年度診療報酬改定で導入されたリフィル処方箋の使用状況に関する調査の結果も報告された。リフィル処方箋の交付を受けたことがある患者の割合は、最も高い50代でも1割程度。医療機関の今後の発行見通しでは、「患者希望があれば検討する」、「検討には消極的」との回答が多く、患者・医療機関双方に受診回数の減少による重症化への懸念があることが窺えた。

調査は、医療機関、薬局、患者を対象に2212月〜231月に実施。医療機関と薬局は2246月の間にリフィル処方箋の発行・受取実績がある施設とない施設の両方を対象に組み入れた。 

リフィル処方箋を発行しなかった理由で多かったのは、「長期処方で対応が可能だったから」、「患者からの求めがないから」など。今後の発行見通しでは、「患者希望があれば検討する」、「検討には消極的」が、「積極的に検討する」を大きく上回る。特にリフィル処方箋の発行実績がなく、調査にも発行したことがないと回答した診療所では、「検討には消極的」が65.2%に及んだ。

■消極的理由は「患者の変化に気付きにくくなる」、「処方は医師の判断が必須だから」

「検討には消極的」と回答した医療機関の多くは、「医師が患者の症状の変化に気付きにくくなるから」、「薬を処方する際には医師の判断が毎回必須と考えるから」を理由に挙げており、受診頻度の低下による重症化への懸念が背景にあるとみられる。 

患者調査でリフィル処方箋を交付されたことが「ある」と答えた割合は、最も高い50代でも11.0%だった。リフィル処方箋利用のメリットと感じるものでは、「通院にかかる時間的負担(予約・移動・待ち時間)を減らせる」、「薬が欲しいだけという患者の状況に合っている」などが、デメリットでは「医師に診てもらう機会が減ってしまう」、「処方箋を保管しておくことが手間である」などがそれぞれ上位となった。

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