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食欲低下と左太腿のしびれで来院した88歳男性[鑑別診断塾入門(最終回)]

No.5161 (2023年03月25日発行) P.9

塩尻俊明 (国保旭中央病院総合診療内科部長)

登録日: 2023-03-24

最終更新日: 2023-03-23

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【現病歴】X-2カ月,食欲低下と左大腿外側のしびれが出現。その後も徐々にしびれが増悪。X-3日,しびれが改善しないため近医を受診し,当院紹介となる。
<追加の情報>
大腿外側のしびれは,安静時にもあるびりびり感。歩行,立位,側臥位で増悪しないが,臥位での大腿の伸展で増悪し,坐位で軽度ながら改善する。歩行は何とか可能。この3カ月で8kgの体重減少。
【既往歴】X-3年,右内頸動脈狭窄,逆流性食道炎。X-1年,L1腰椎圧迫骨折。
【内服薬】シロスタゾール200mg,アトルバスタチン5mg,ランソプラゾール15mg
【生活歴】もともとはADL全自立。元公務員。
【バイタルサイン】BP 156/98mmHg,HR 94/min(整),RR 16/min,BT 36.9℃,SpO2 96%(RA),意識清明
【身体所見】四肢:左下肢屈曲位をとっている。Patrick testは陰性,股関節の屈曲内旋で疼痛の誘発なし。神経(運動系):両下肢は近位・遠位ともに徒手筋力テスト(MMT)5/5。協調運動系は異常なし。神経(感覚系):左大腿外側に異常感覚あり。深部腱反射は正常で病的反射なし。

 キーワード 
・慢性
・食欲低下
・体重減少
・安静時痛,臥位時大腿の伸展で増悪し,坐位で軽度ながら改善する左大腿外側の異常感覚
・歩行,立位,側臥位で増悪しない
・下肢筋力,深部腱反射は正常

考えられる診断は?

A. 腰椎神経根症
B. 腰部脊柱管狭窄症
C. 大転子疼痛症候群
D. 変形性股関節症
E. 感覚異常性大腿神経痛

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