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右太腿の痛みで来院した92歳女性[鑑別診断塾入門(47)]

No.5159 (2023年03月11日発行) P.7

塩尻俊明 (国保旭中央病院総合診療内科部長)

登録日: 2023-03-10

最終更新日: 2023-03-10

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【現病歴】X-0日,19時頃,排便後から右太腿が痛くなった。改善しないため自宅の車でER受診。
<追加の情報>
右鼠径部から大腿内側にびりびりするような痛みを自覚。立位,歩行で痛みは増悪しないため,歩行は可能。臥位で下肢を伸展すると増悪する。診察時,発症から2時間経過しており増悪している。悪寒,戦慄,発熱なし。腰痛,嘔気,嘔吐,下痢,便秘なし。
【既往歴】高血圧,変形性股関節症。
【内服薬】アムロジピン5mg
【生活歴】ADL全自立。元農家。
【バイタルサイン】BMI 19.6,BP 192/75mm Hg,HR 60/min(整),RR 20/min,BT 36.4℃,SpO2 95%(RA),意識清明
【身体所見】腹部:平坦,軟,圧痛なし。腸雑音やや亢進。鼠径部にヘルニアを示唆する膨隆はない。四肢:右鼠経靱帯下から右大腿内側にびりびり感。右大腿を屈曲位にしている。

 キーワード 
・排便後の急性発症
・右鼠径部から大腿内側のしびれ
・臥位で下肢を伸展すると増悪
・2時間で進行
・嘔気,嘔吐なし
・発熱なし

考えられる診断は?

A. 大腿ヘルニア
B. 閉鎖孔ヘルニア
C. 腸恥滑液包炎
D. 腸腰筋膿瘍
E. 第2腰椎(L2)神経根症

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