日本医師会の松本吉郎会長は1月25日の会見で、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の類型を2類相当から5類に見直す問題について、「段階的、慎重に、ソフトランディングが必要」と改めて強調した。
会見の中で松本会長は、19日に岸田首相に面会した際にもその点を申し入れたことを紹介。具体的な要望として、①国民が医療にかかるときにできるだけ負担がかからないように、②医療機関、介護施設の現場に対し、引き続き感染防御の支援を、③入院調整に医療現場と患者に負担がかかることがあってはならず、引き続き行政の支援を、④今後、感染が拡大したときに備えて臨時の検査センター、医療施設の継続を―の4点を申し入れたと説明した。
今後のマスク着用のあり方についても言及し、報道で「屋内でも不要とする方向」と伝えられていることについて、「全国の医師会から『医療機関や介護施設でマスク不要が求められるのではないか』と不安の声が日本医師会に寄せられている。医療機関、介護施設では感染対策は非常に重要であり、引き続きマスクの着用が必要」と述べ、政府が一律にマスク不要としないよう求めていく姿勢を示した。
25日の会見では釜萢敏常任理事も新型コロナ感染症の類型見直しの問題に言及。「エンデミックにおける感染リスクの高さがきわめて重要。英国とシンガポールの比較を参考にすると、日本はなるべく感染の低い状態にとどまることを目指すべきで、急激な(対策の)変更で感染が増えることは極力避けなければならない」と述べ、感染対策は段階的に緩和すべきであることを強調した。