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【識者の眼】「看護師・看護助手・介護福祉士・介護助手による業務分担を」武久洋三

No.5151 (2023年01月14日発行) P.63

武久洋三 (医療法人平成博愛会博愛記念病院理事長)

登録日: 2022-12-23

最終更新日: 2022-12-23

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介護職員は、特養等の介護施設では介護福祉士もしくは介護職員と呼ばれていますが、医療機関では看護補助者と呼ばれています。法的呼称も同様です。介護職員は今や独立した業種として認知されていますが、看護師にとっては今もまだ看護業務の下働きであるという認識が強いのかもしれません。確かに医療現場では看護師の指示や管理のもとに介護業務を行っています。しかし、現状では病院に勤めたがらない介護職員が多く、介護職員の配置に苦労している病院は多いのです。もうそろそろこの辺で旧来の弊害を乗り越えないと現場は大変なことになります。

今やコメディカルは皆、それぞれの専門スキルを活かし、連携して働いています。そして、すべての職種がキャリアアップして成長しています。特に看護師は特定看護師が診療補助を行い、医師の業務を助けてくれており、看護の現場は本当に大変な状況です。医療技術の目まぐるしい発展により、ひと昔前に新たに身に付けた知識や技術が速いスピードで常識となる一方で、基本的な看護ケアの必要性は患者の高齢化も相まってむしろ高まっています。

看護業務のIT化も進んでいます。一室で患者への処置が終わる度に電子カルテに入力しなければなりません。これらの業務を1人で行うことに時間がかかり、助手が欲しいと思っている看護師も多いでしょう。

そこで、このカルテ代行入力や看護業務における様々な準備、片付け、各部署との連絡などを看護助手が担ってくれれば、現場の看護師はどれほど業務が進み、効率よく働けるでしょうか。

そして、病院で確実に増えている純然たる介護業務は、介護福祉士をはじめとする介護職員に任せてはいかがでしょうか。介護業務自体に優劣はありませんが、直接患者の身体に触れるケア業務以外に、病室内の環境整備やベッドメーキングなど、とても多くの業務があるので、これらの業務を介護助手にしてもらってはいかがでしょうか。看護補助者の業務を分担し、医療の分野における介護の専門職としての介護福祉士、介護職員を適切に評価すべきです。

看護師・看護助手・介護福祉士・介護助手。これら職種の組み合わせによる業務分担を提案します。これで看護業務は飛躍的に効率化されることでしょう。看護師の皆様、高齢者が激増する医療の現場を自分たちが働きやすく、そして患者にも良い環境に変えていきませんか?

武久洋三(医療法人平成博愛会博愛記念病院理事長)[病院の介護業務]

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