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Difficult patient encountersへの対応技法〈総論〉─患者中心の医療と医療者自身のケアを向上させるために[プライマリ・ケアの理論と実践(165)]

No.5146 (2022年12月10日発行) P.12

鋪野紀好 (千葉大学大学院医学研究院 地域医療教育学特任准教授,千葉大学医学部附属病院総合診療科)

登録日: 2022-12-08

最終更新日: 2022-12-07

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SUMMARY
担当医に強い陰性感情を引き起こす患者診療をDifficult patient encountersと言う。医療者が陰性感情を抱くのは決して患者要因だけではない。その要因を同定し,適切な対応技法を実践することで,患者中心の医療の実践のみならず,医療者自身のケアにもつながる。

KEYWORD
陰性感情
アドラー心理学では,我々が抱く感情は,「陰性感情」と「陽性感情」の大きく2つに分類される。陰性感情とは,「嫌だな」「難しそう」「関わりたくない」などの思いを指す1)。医療者はこの陰性感情についていかに対応するかがキーとなる。

鋪野紀好(千葉大学大学院医学研究院 地域医療教育学特任准教授,千葉大学医学部附属病院総合診療科)

PROFILE
日本内科学会総合内科専門医・指導医,日本プライマリ・ケア連合学会認定医・指導医,日本病院総合診療医学会認定医・特任指導医,千葉大学大学院医学研究科博士課程(医学薬学府先進医療科学専攻)修了,マサチューセッツ総合病院医療者教育学修士課程修了。

POLICY・座右の銘
Where there's a will, there's a way.

1 Difficult patient encounters(DPEs)の疫学

Difficult patient encounters(DPEs)とは担当医に強い陰性感情を引き起こす患者診療と定義される2)。本邦ならびに諸外国のプライマリ・ケア・セッティングにおける疫学調査では,DPEsは外来患者の約15%を占めるとされる3)4)。本稿ではDPEsへの対応技法の総論について扱い,以降の連載では各論となる対処方法について論じる。







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