株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

動作で悪化しない腰痛で来院した87歳男性[鑑別診断塾入門(37)]

No.5137 (2022年10月08日発行) P.7

塩尻俊明 (国保旭中央病院総合診療内科部長)

登録日: 2022-10-07

最終更新日: 2022-10-05

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

【現病歴】X-3日,いつもより長く畑仕事をした。腰痛は数年前から自覚していたが,夜間に痛みが増強し,安静でも疼痛を自覚した。X-2日,食欲がなく,夜に38℃の発熱があった。X-0日,食事が摂れなくなったため来院。
<追加の情報>
腰痛は,椎体レベルでL2付近だが,体動,歩行で増悪しない。
【既往歴】X-5年,冠動脈ステント留置術,左閉塞性動脈硬化症に対して経皮的血管形成術。発症時期不明の高血圧。
【内服薬】アスピリン100mg,クロピドグレル75mg,テルミサルタン40mg,ロスバスタチン5mg,ランソプラゾール15mg,ニコランジル15mg,アムロジピン5mg
【生活歴】喫煙20本/日×60年。X-5年,禁煙。飲酒なし。
【バイタルサイン】BP 182/90mmHg(左右差なし),PR 98/min,RR 29/min,BT 39.9℃,SpO2 95%(RA),意識清明
【身体所見】腹部:平坦,軟。腹部正中に軽度圧痛あり。背部:叩打痛なし。棘突起に圧痛なし。

 キーワード 
・急性発症の腰痛
・夜間増悪する安静時痛
・体動,歩行で悪化しない
・頻脈,頻呼吸,39.9℃
・腹部正中に軽度圧痛あり
・棘突起に圧痛なし

考えられる診断は?

A. 多発性骨髄腫
B. 感染性腹部大動脈瘤
C. 化膿性椎体炎
D. 偽痛風
E. 急性膵炎

プレミアム会員向けコンテンツです(最新の記事のみ無料会員も閲覧可)
→ログインした状態で続きを読む

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top