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【識者の眼】「真夏の快適な睡眠」山本晴義

No.5129 (2022年08月13日発行) P.65

山本晴義 (労働者健康安全機構横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長)

登録日: 2022-08-04

最終更新日: 2022-08-04

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1年の中でも眠りに向いていない季節は夏ではないだろうか。

一般的に、睡眠時間は秋から冬にかけて徐々に長くなり、春から夏にかけて短くなる傾向にある。これは冬眠する哺乳類と同様の身体機能が人間にも生まれつき備わっているためと考えられている。

日本の夏はご存じの通り、湿度も高く快適に眠る環境にはない。夜間の最低気温が25℃以上になる夜のことを熱帯夜と呼ぶが、寝苦しく何度も起きてしまったり、浅い眠りが続くと体調を崩しやすくなる。夏の室温は、26℃程度が適温、湿度は50〜60%程度とされているので、この温度や湿度を保つことを心がけるとよい。なお、冬は16〜19℃が安定した睡眠を得られると言われている。

温度対策としては、まずは、エアコンや扇風機を上手に使いながら湿度を下げていくとよい。ちなみに、眠りはじめの90分の質が悪いと、その後何時間寝ても睡眠の質が悪いと言われているほど、入眠後の90分は重要で、“黄金の90分”と言われている。この90分の睡眠が深ければ深いほど眠りたいという欲求である欲求圧が放出され、自律神経とホルモンのバランスが整えられるのである。そのため、エアコンを使う場合はタイマーを2〜3時間に設定することにより、この時間をぐっすり眠ることが可能になる。翌日の目覚めをよくするポイントでもある。

眠りが浅い人は、自律神経が乱れていることが多い。通常、日中は交感神経が、睡眠時は副交感神経が優位に働くが、日常生活でストレスを感じることが多いと自律神経のバランスが崩れてしまう。眠ろうと思っても交感神経が優位に働き、不眠を引き起こしたり、睡眠の質を下げてしまう。まずは、ストレスを解消する方法をいくつか持ち、その日のストレスはその日のうちに解消することに努めたい。それとともに、就寝予定1時間半前辺りにぬるめのお湯にゆったりとつかり、副交感神経を優位にすることがおすすめだ。入浴がストレス解消法のひとつの人には一石二鳥である。一方、42℃以上の熱い湯につかると交感神経が優位となり、眠りにつきにくくなってしまうので気をつけたい。熱い湯は気分がすっきりして疲れがとれた感じはするが、入眠前の入浴には適していない。少しの工夫で快適な睡眠が得られるため、ぜひ心がけて頂きたい。

■山本晴義 Official Channel 

【ラインケア①】https://youtu.be/oOPCg-zD6b4
【ラインケア②】https://youtu.be/ork6qOWsX1Q
【ラインケア③】https://youtu.be/vXjKEYFO_jk
【ラインケア④】https://youtu.be/-toL6j2yt6g
【ラインケア⑤】https://youtu.be/J9VQ29sB0JM
【ラインケア⑥】https://youtu.be/H5jQmlVWRl4

山本晴義(労働者健康安全機構横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長)[熱帯夜][自律神経]

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