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サル痘(Monkeypox)への備え(1):基本的事項 [感染症今昔物語ー話題の感染症ピックアップー(1)]

No.5127 (2022年07月30日発行) P.17

石金正裕 (国立国際医療研究センター病院国際感染症センター/AMR臨床リファレンスセンター/WHO協力センター)

登録日: 2022-07-28

最終更新日: 2022-07-28

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  • ●はじめに

    2022年5月以降,これまで流行のなかった欧米諸国から2000例以上のサル痘が報告されています。サル痘は,オルソポックスウイルス属のサル痘ウイルス感染症で,1970年にヒトでの感染が発見されて以来,中央アフリカから西アフリカにかけて流行しています。2022年6月18日時点で,日本からの患者の確認は報告されていませんが,適切に備える必要があります。

    ●サル痘の世界の流行状況

    2022年1月1日から6月15日までに42カ国から,確定例2103例(うち死亡1例含む)と疑い例1例の計2104例がWHOに報告されています。症例の大部分(98%)は2022年5月以降です。報告数が多い国は,英国524例,スペイン313例,ドイツ263例,ポルトガル241例になります。人口統計学的情報と個人的特徴が入手可能な14カ国からの報告例(確定例2103例中468例)のうち,99%が0〜65歳(四分位範囲:32〜43歳,中央値37歳)の男性で,そのほとんどがMSM(men who have sex with men,他の男性と性交渉を持つ男性)です。

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