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内耳炎[私の治療]

No.5126 (2022年07月23日発行) P.50

川島慶之 (東京医科歯科大学耳鼻咽喉科准教授)

登録日: 2022-07-21

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  • 内耳の膜迷路に生じた炎症性疾患の総称である。病態は細菌感染,ウイルス感染,梅毒感染,自己免疫疾患など多岐にわたる。症状は主に感音難聴とめまいであるが,その程度は病態により大きく異なる。

    ▶診断のポイント

    難聴,耳鳴,耳閉塞感,めまいなどを訴える症例では,内耳炎が鑑別診断に挙がる。病歴聴取後に耳鏡検査,聴力検査,眼振検査を行う。血液検査では全身性の炎症所見の有無のほか,各種の抗体価などを調べる。中耳から内耳への炎症波及が疑われる際には,側頭骨CTを撮影し,中耳病変の有無や進展範囲,内耳瘻孔の有無,蝸牛内石灰化の有無などを評価する。MRIでは,内耳膜迷路の炎症を示唆する造影3D FLAIR画像での内耳の信号強度の上昇の有無や,蝸牛内の骨化/線維化を示唆するT2強調画像での内耳リンパ液の信号強度の低下の有無などを評価するとともに,聴神経腫瘍や中枢性病変を鑑別する。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    内耳炎の病態は多岐にわたるため,治療方針の決定には正確な病態の把握が重要である。各種の病態に合わせ,治療方針をたてる。内耳炎の中でも,臨床的に特に重要な病態の治療法につき,以下に記載する。

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