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ポルフィリン症[私の治療]

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  • ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    急性発作を予防し,また,早期の対応により重症化を防ぐ。

    ▶治療の実際

    【間欠期】

    誘因を避けるように指導する2)3)。月経に伴い急性発作を起こす症例では,LH-RH analogueを用いて月経を止めることも効果がある。

    【急性発作時】
    〈発症早期あるいは軽症時〉

    一手目 :〈対症療法〉病状を悪化させる可能性がある薬物を絶対使用禁止するとともに,疼痛,腹痛にはクロルプロマジンおよび麻薬,不安,神経症にはクロナゼパム,クロルプロマジン,高血圧,頻脈にはβ遮断薬を処方,SIADHには補液による電解質補充

    二手目 :〈一手目に追加〉10%ブドウ糖液1~4L/回(静注)

    ブドウ糖を中心とした補液。ALASの酵素活性が抑制される。

    〈中等〜重症時〉

    一手目 :ノーモサング注(ヘミン)1回3mg/kgを生理食塩水100mLに溶解し,1日1回(30分以上かけて点滴静注)4日連続

    ヘム製剤(ヘムアルギニンあるいは塩酸ヘマチン)の投与は病態に則した治療法であり,欧米では第一選択療法。

    【発作が頻回に起こるとき】

    一手目 :ギブラーリ注(ギボシランナトリウム)1回2.5mg /kg 1日1回(皮下注)月に1回

    ギボシラン(givosiran)はALAS1遺伝子を標的としたsiRNAで,急性発作の再発を抑える。わが国では2021年に承認された。

    【文献】

    1)大門 眞:ポルフィリン症. 内科学. 第11版. (分冊第Ⅳ巻). ⽮﨑義雄, 編. 朝倉書店, 2017, p1815-20.

    2)American Porphyria Foundation(APF).
    https://www.porphyriafoundation.org

    3)European Porphyria Network(EPNET).
    https://porphyria.eu

    大門 眞(弘前大学大学院医学研究科内分泌代謝内科学講座教授)

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