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脳内病変に対する内視鏡手術の有用性とは?

No.5120 (2022年06月11日発行) P.51

西田南海子 (北野病院脳神経外科副部長)

竹内和人 (名古屋大学医学部附属病院脳神経外科)

登録日: 2022-06-09

最終更新日: 2022-06-07

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  • 脳内病変に対する内視鏡手術は,頭蓋骨という密閉容器内の髄液という体液に浸された特異な環境にある臓器を対象とする点において様々な障壁がありますが,近年の機器の発展・技術の進歩は目覚ましいものがあります。
    その展望と課題について,名古屋大学・竹内和人先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    西田南海子 北野病院脳神経外科副部長


    【回答】

    【内視鏡では周辺の正常脳の損傷を抑えた手術治療が可能である】

    脳腫瘍の治療では病変の摘出と,正常脳への損傷のバランスが求められます。従来の顕微鏡手術では,頭蓋外部からの視野の確保が必要不可欠であるため,大きめの開頭や病変手前に存在する正常脳の圧排が必要でした。

    近年の内視鏡画像技術の進歩は目覚ましく,high visionや4Kの内視鏡が利用可能となりました。これらの内視鏡では,顕微鏡と比較しても遜色ない,状況によっては顕微鏡よりも高画質な術野を展開することが可能です。内視鏡を術野近傍に配置することで視野を確保可能であるため,これまでのような広い術野の展開は不要になります。皮膚切開や開頭のサイズだけでなく,正常脳への圧排を最小限にすることができ,見た目だけでなく神経組織にも低侵襲な手術につながると考えられます。

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