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低侵襲緑内障手術(MIGS)併用白内障手術の良い適応は?

No.5114 (2022年04月30日発行) P.53

堀 裕一 (東邦大学医療センター大森病院眼科教授)

稲谷 大 (福井大学医学部眼科学教室教授)

登録日: 2022-04-30

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  • 低侵襲緑内障手術(minimally invasive glaucoma surgery:MIGS)併用白内障手術の良い適応について,福井大学・稲谷 大先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    堀 裕一 東邦大学医療センター大森病院眼科教授


    【回答】

    【高齢者で白内障を併発した開放隅角緑内障患者が良い適応となる】

    MIGSとは,これまで行われてきた緑内障手術に比べて,短時間の手術時間で施行でき,術後の視力回復も早く重篤な術後合併症がないため,最近急速に広まっている緑内障手術です。この手術は白内障手術と非常に相性が良く,超高齢社会となったわが国では,白内障手術と同時に行えることは,大きなメリットがある術式と言えます。

    MIGSには,様々な術式があります。わが国で現在普及している術式は,流出路再建術のMIGSです。流出路再建術の代表的な術式は,線維柱帯切開術(トラべクロトミー)です。トラべクロトミーは,白内障手術と同時に行うと,トラべクロトミーを単独で行うよりもさらに眼圧下降が促進され,白内障手術による視力改善効果も期待できるので,白内障を合併した高齢者の開放隅角緑内障で行われてきました。しかし,線維柱帯を切開するためのシュレム管同定作業や縫合などの手技が煩雑な上に,結膜に生じる手術瘢痕が再手術時の妨げになるといった難点がありました。

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