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吃逆が止まらない77歳男性[鑑別診断塾入門(21)]

No.5103 (2022年02月12日発行) P.9

塩尻俊明 (国保旭中央病院総合診療内科部長)

登録日: 2022-02-11

最終更新日: 2022-02-09

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【現病歴】X-5日,朝食は問題なく食べられた。午前中から吃逆が出現。昼食は,少量の水分摂取がやっとだった。X-4日,喀痰,喉の違和感があった。当院を受診したが,理学的所見に乏しくX線に異常がないため,感冒としてカルボシステイン,チペピジンヒベンズ酸塩の処方で帰宅。X-1日,夕食にワンタンを食べようとしたが,ほとんど吐いてしまった。X-0日,唾液が喉にたまる感じがして吃逆が改善しないため,再度受診。
<追加の情報>
嚥下できないので吐き出す。吃逆は終日続き,家人によると就寝中にも吃逆がある。咽頭痛,胸焼け,腹満なし。新規薬剤なし。48時間以上持続。
【既往歴】X-5年前から高血圧。X-15年前,痛風発作。
【内服薬】アムロジピン5mg
【生活歴】無職。飲酒・喫煙なし。 新型コロナ患者との接触歴や流行地域への外出なし。
【バイタルサイン】BP 139/95mmHg,PR 72/min,RR 16/min,BT 36.4℃,SpO2 97%(RA),意識清明
【身体所見】肺野・腹部に所見なし。

 キーワード 
・高齢発症
・突然に近い発症
・吃逆と嚥下障害
・48時間以上持続

考えられる診断は?

A. 延髄外側症候群
B. 心筋梗塞
C. 視神経脊髄炎
D. 逆流性食道炎
E. 新型コロナウイルス感染症

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