昨年9月から、「新自由主義」に対する関心が高まっています。その契機はもちろん、岸田文雄首相が自民党総裁選挙以来、「新自由主義からの転換」と「新しい資本主義」を提唱しているからで、それに期待する方も少なくありません。他面、逆に、コロナ禍が収束した後、政府が厳しい新自由主義的医療改革を復活させると心配している方もいます。
そこで、今回は「新自由主義」と「新自由主義的医療改革」についての私の理解を述べます。私が強調したいことは、新自由主義はきわめて多義的であること、及び「新自由主義的医療改革」は政府の伝統的な医療費抑制政策と同じではないことです。