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皮膚真菌感染症の診断・治療のポイントは?

No.5102 (2022年02月05日発行) P.54

小川陽一 (山梨大学大学院医学工学総合研究部 医学学域臨床医学系皮膚科学講座講師)

原田和俊 (東京医科大学皮膚科学分野教授)

登録日: 2022-02-07

最終更新日: 2022-02-01

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  • 皮膚真菌感染症の代表的なものは白癬菌とカンジダになります。これらの感染症は視診では診断不可能です。皮膚真菌症の診断のコツ,鑑別診断,治療戦略等について東京医科大学・原田和俊先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    小川陽一 山梨大学大学院医学工学総合研究部 医学学域臨床医学系皮膚科学講座講師

     【KOH直接鏡検検査を行い診断確定してから抗真菌薬を投与する】

    白癬,皮膚カンジダ症は表在性皮膚真菌症の代表的な疾患です。皮膚真菌症は患者数が多く,足白癬は外来患者の6.5%を占めると報告されています1)。また,皮膚真菌症の存在に気づかず,皮膚科を受診しない患者はさらに多く,人口の10%程度が爪白癬に罹患しているという推計があります2)

    皮膚真菌症は視診のみでは確定診断はできず,病変部から白癬菌やカンジダなどの真菌を検出する必要があります。真菌の検出法にはKOH直接鏡検検査,真菌培養検査,病理組織検査,遺伝子検査などがありますが,KOH直接鏡検検査は真菌を直接検出する検査であり,迅速に結果が判明することから,最も有用です。

    毛髪や爪などを鏡検する際には,感染している真菌が通常と異なる形態を示すことがありますので,普段から教科書やアトラスで形態を確認しておくことが重要です。皮疹に鱗屑が存在したら,鏡検検査を行うことを習慣にしておくと,皮膚真菌症を見逃すことが少なくなります。

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