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■NEWS 処方箋の変更不可欄など巡り、意見が対立―中医協総会

No.5076 (2021年08月07日発行) P.70

登録日: 2021-07-27

最終更新日: 2021-07-27

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中央社会保険医療協議会総会は721日、医薬品の適正な使用を推進するための診療報酬上の評価などについて議論した。後発医薬品の使用促進策では、処方箋の後発医薬品への変更不可欄やフォーミュラリなどを巡り、支払側と診療側の意見の応酬があった。

現行の処方箋には、医師がチェックを入れた場合は、薬局の判断による後発医薬品への変更を認めない、変更不可欄が設けられている。医療機関504施設を対象にした調査データによると、1週間の取扱い処方箋で、先発医薬品名で処方された医薬品の割合は31.2%、うち変更不可とされたのは13.1%だった。

議論で、診療側の城守国斗委員(日本医師会常任理事)は、後発医薬品への変更が難しい品目があることを指摘。特に注射剤や吸入薬などはデバイスも変わるため、後発医薬品に変更しても患者の希望で先発医薬品に戻すケースが少なくないことを示し、アドヒアランスの低下を避けるためにも、変更不可欄は必要だと訴えた。これに支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、「患者が希望しても、後発医薬品も効能効果が一緒だと説明して納得させるのが医師の役目ではないか」と反論。変更不可欄の廃止を求めた。

一方、フォーミュラリは、20年度改定時にもテーマに挙がったが、時期尚早との判断から診療報酬での評価が見送られた経緯がある。一般的には医学的妥当性や経済性などを踏まえて作成された医薬品の使用方針を意味し、同種同効薬の中では後発医薬品などの安価な医薬品が第一選択薬として推奨されるケースが多い。幸野委員は、この2年間で環境整備が進んだとして診療報酬上での評価を要望したが、城守委員は、「定義がまだ明確ではなく、策定方法や策定プロセスも確立していない。そうした状況を鑑みても診療報酬で評価する状況にはない」と反対姿勢を示した。

■「地域医療体制確保加算」の要件緩和の検討を―診療側が要望

この日は医師の働き方改革についても意見交換し、前回改定時に救急病院の勤務医の処遇改善を促す目的で創設された「地域医療体制確保加算」の見直しが論点の1つとなった。同加算の算定では、救急車や救急医療用ヘリコプターによる年間搬送件数が2000件以上であることが求められる。

要件を満たせないが、地域で重要な役割を担う医療機関に関しては、診療報酬ではなく、地域医療介護総合確保基金で働き方改革を支援することになっているが、診療側の松本吉郎委員(日本医師会常任理事)は、使い勝手の悪さから十分活用されているとは言い難いと問題視。「年間救急搬送件数2000件未満の施設についても医療提供体制の現状をきめ細かく把握し、診療報酬での対応を検討する必要がある」と述べた。

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