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【一週一話】脳脊髄液減少症診断基準の変遷

No.4698 (2014年05月10日発行) P.55

篠永正道 (国際医療福祉大学熱海病院脳神経外科教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2021-01-05

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  • 脳脊髄液減少症は,低髄液圧症候群と称されている疾患と同一の疾患であり,脳脊髄液の漏出によって脳脊髄液が減少するために頭痛,めまい,耳鳴り,光過敏などの多彩な症状が持続し,交通事故やスポーツ外傷後遺症の原因の1つとして注目を集めている疾患である。2007年に脳脊髄液減少症研究会が診断と治療のガイドラインを発表し,その後,2012年には厚生労働省(以下,厚労省)の研究班が脳脊髄液漏出症の画像判定基準・画像診断基準を公表したが,国際頭痛学会が2004年に定めた国際頭痛分類第2版(ICHD-2)の「低髄液圧性頭痛」が最も権威のある診断基準とされていた。しかし,このICHD-2の基準はいくつかの点で重大な欠陥を有しており,海外論文でも批判されてきた。

    最も大きな問題は,「坐位または立位をとると15分以内に増悪する頭痛」が必須項目になっていた点である。このため,多くの患者は適切な治療を受ける機会を失った。2つ目の欠陥は,「硬膜外血液パッチ後72時間以内に頭痛が消失する」ことが必須であったことである。そもそも,治療が診断項目に入ること自体が問題である。2013年7月に公表された国際頭痛分類第3版beta版(ICHD-3β)1)ではこれら2点が是正され,診断基準が大幅に変更された。

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