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節々が痛い84歳男性[鑑別診断塾入門(2)]

No.5061 (2021年04月24日発行) P.11

塩尻俊明 (国保旭中央病院総合診療内科部長)

登録日: 2021-04-22

最終更新日: 2021-04-21

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【現病歴】X-5日,両肩・足の付け根の痛みを自覚,徐々に増悪。X-2日,入浴から立ち上がろうとすると痛みのため立ち上がれないほどであった。X-1日,整形外科でX線施行するが異常なく,顔面,体幹に皮疹を認め内科受診を勧められた。X-0日,水様便も出現したため受診。
<追加の情報>
両肩,足の付け根は安静時でも痛みがあり,関節を動かすことで疼痛が増悪し関節の痛みが示唆された。
【既往歴】10年前から糖尿病,高血圧。
【内服薬】ミグリトール150mg(50mg 1日3回),アムロジピン5mg,テルミサルタン40mg
【生活歴】農家。小児との同居なし。
【バイタルサイン】BP 162/80mmHg,PR 86/min, RR 24/min, BT 37.6℃,SpO2 95%(RA),意識清明
【身体所見】両肩・股関節に痛みのため可動域制限あり。肩甲上腕関節に熱感・腫脹・発赤はなし。顔面・頸部・体幹・上下肢近位には米粒大から爪甲大程度までの少しくすんだ赤みを有した境界不明瞭な紅斑あり(図1)。1個1個の皮疹の形が同じでなく濃淡があり,軽度の浸潤を触れる。瘙痒感はなし。

 キーワード 
・関節痛が先行する顔面・体幹・近位四肢の皮疹
・水様便

考えられる診断は?

A. パルボウイルスB19感染症
B. 成人スティル病
C. 感染性心内膜炎
D. IgA血管炎
E. ツツガムシ病

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