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ストーリーをつむぐ[プラタナス]

No.5061 (2021年04月24日発行) P.3

建石良介 (東京大学大学院医学系研究科消化器内科学講師)

登録日: 2021-04-24

最終更新日: 2021-04-21

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  • その患者は、筆者が医師になって7年目にC型肝炎に合併した肝細胞癌の治療目的に入院してきた。あるがん専門病院で治療を受けていたが、再発を繰り返すうちに制御が困難になり、転医を希望して当科を受診していた。当科は他院で治療困難な症例に対しても局所療法であるラジオ波焼灼術を行うことを強みとしている。それでも彼女のがんは進行しすぎており、前医と同様に多発肝癌に対する標準治療である肝動脈化学塞栓術で治療することになったが、治療を繰り返すものの病状はさらに進行していた。どうしてもラジオ波を受けたいとの強い希望があり、現在の感覚で言えば「標準的」ではないラジオ波を行うことになったのであった。

    図に示すとおり、肝内の病変は最大5.7cmの計5個、唯一の救いは肝機能が良好であったこと。一応の完全焼灼を達成したが、16カ月後に門脈内に再発をきたし、放射線照射で事なきを得た。その後も再発を繰り返し、計11回のラジオ波焼灼を受けているが、この2月でついに当科初診から20年が経過した。その間、抗HCV療法として2度のインターフェロン療法を受けるも奏効せず、2015年に登場した画期的内服薬でついにHCVの駆除に成功した。今年で80歳になるが、現在も元気に外来に通っている。医者人生の大部分を占める年月を主治医として共に歩んできたことになる。

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