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家族志向のケア[4]─家族の感情に配慮する[プライマリ・ケアの理論と実践(79)]

No.5036 (2020年10月31日発行) P.10

宮本侑達 (亀田総合病院在宅診療部・亀田ファミリークリニック館山家庭医診療科)

登録日: 2020-10-29

最終更新日: 2020-10-28

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SUMMARY
治療方針や療養先の決定など重要な意思決定の際に,本人・家族の意見が異なり,対立することを時折経験する。その際,家族の感情を扱うことで,意思決定支援につながる場面は少なくない。今回は,家族志向のケアの家族の感情の扱い方のうち,共感的傾聴と多方向への肩入れについて述べる。

KEYWORD
多方向への肩入れ
共感(相手の感情・考えを相手の立場で理解すること)を発展させた技法。家族メンバーの一人一人,それぞれに共感的理解を示し,不公平感や各々の努力を明らかにしてお互い認め・受容し,結果,歩み寄りを促していく。

宮本侑達(亀田総合病院在宅診療部・亀田ファミリークリニック館山家庭医診療科)

PROFILE
千葉県南部の亀田ファミリークリニック館山にて家庭医療を学び,現在は同法人亀田総合病院在宅診療部で診療をしている。日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療専門医・指導医。

POLICY・座右の銘
置かれた場所で咲きなさい

1 ケース

CASE:75歳女性
脳血管性認知症あり,訪問診療で関わっていた。半年前から誤嚥性肺炎で入退院を繰り返していたが,1カ月前からいよいよ食事量が低下してきた。療養方針決定のために,遠方の娘を半年ぶりに自宅に呼び,同居の夫と関係者会議を行った。家族図は図1の通り。

娘:このまま弱っていくのを見ていられません。胃ろうを是非お願いします。

夫:胃ろうをつくらないで欲しいです。妻は,もう苦痛になることはしなくていいと言うと思います。

娘:え?ここで胃ろうをつくらずに,お父さんはお母さんを餓死させたいの?

夫:私がずっと側で見てきたんだから,母さんが何を望むかわかるんだ。ここぞとばかりに口を出すな!

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