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緑内障治療

No.5029 (2020年09月12日発行) P.49

中村 誠  (神戸大学眼科教授)

登録日: 2020-09-09

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【薬物治療,外科的治療ともに選択肢が広がっている】

緑内障は,わが国の中途失明原因の第1位を占める視神経疾患であり,眼圧下降が介入可能な有効的治療である。2018年,ガイドラインの改訂が行われた1)

眼圧下降には薬物治療と外科的治療がある。

薬物治療は,今世紀に入る直前に導入されたプロスタグランジン(PG)関連薬,およびより古い歴史を持つ交感神経β遮断薬が第一選択薬の座を占めている。これに対して,14年にわが国からRhoキナーゼ(ROCK)阻害薬が世界初の新薬として上市された。PG関連薬が副流出経路と呼ばれる房水排出ルートを促進し,β遮断薬が房水産生を抑制して眼圧を下降させるのに対して,ROCK阻害薬はシュレム管を介した主流出経路からの房水排出を促進する。18年には主および副流出路からの排出を促進するプロスタノイド受容体EP2作動薬も市販され,薬剤の選択肢が広がった。

これに対して,主な外科的治療である手術治療には,長らく線維柱帯切開術と線維柱帯切除術しか確立された手技がなかった。前者はシュレム管への生理的流出量を促進する術式であり,後者は眼外へ房水を導出するバイパスを作製する濾過手術である。古典的な線維柱帯切開術には,結膜と強膜からアプローチする侵襲的な方法が用いられていたが,ここ数年,隅角を直視下に観察しながら眼内から低侵襲でアプローチする方法が開発された。一方,濾過手術としては眼球の後方にプレートを埋め込み,そこに連結されたチューブを眼内に挿入するインプラント手術が新規に導入され,難治緑内障の治療の幅が広がった。

【文献】

1) 谷原秀信, 他:日眼会誌. 2018;122(1):5-53.

【解説】

中村 誠 神戸大学眼科教授

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