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BNCTとはどのような治療ですか?

No.5028 (2020年09月05日発行) P.52

鰐渕昌彦  (大阪医科大学脳神経外科教授)

宮武伸一  (関西BNCT共同医療センター教授)

登録日: 2020-09-07

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  • ホウ素中性子捕捉療法(boron neutron capture therapy:BNCT)は脳神経外科分野で神経膠腫や髄膜腫への応用が期待されており,これから発展していくものと考えられます。そこで,BNCTの原理,現時点での適応疾患,今後治療が期待される疾患などについてご教示下さい。
    関西BNCT共同医療センター・宮武伸一先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    鰐渕昌彦 大阪医科大学脳神経外科教授


    【回答】

     【腫瘍細胞を選択的に破壊する粒子線治療である】

    BNCTは,抗癌剤による化学療法と粒子線による放射線療法の双方の特徴を持つ治療法です。まず,腫瘍細胞に選択的にホウ素化合物を集積させ,そこに中性子を照射します。このホウ素化合物には毒性はなく,治療に用いる熱もしくは熱外中性子にもほとんど細胞を壊す作用はありません。ホウ素原子(10B)に中性子が衝突したときに発生するアルファ線とリチウム線という粒子線が腫瘍細胞を破壊します。この粒子の飛距離が腫瘍細胞1個分に相当するので,ホウ素化合物を腫瘍細胞に選択的に集積できれば,腫瘍細胞のみを破壊し,ホウ素の入っていない正常な細胞は破壊を免れて残すことが可能となります。BNCTでがんを破壊するのは中性子ではなく粒子線であり,このような粒子線による細胞選択的ながんの破壊はBNCT以外には存在しません。

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