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【識者の眼】「かかりつけ医機能とは」鈴木邦彦

No.5008 (2020年04月18日発行) P.67

鈴木邦彦 (医療法人博仁会志村大宮病院理事長・院長)

登録日: 2020-04-16

最終更新日: 2020-04-14

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かかりつけ医の定義は以前からあり、日本医師会では、「なんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師」と位置づけています。

また、かかりつけ医機能には従来より医療的機能と社会的機能がある言われています。2025年までの社会保障・税一体改革の道筋を示した社会保障制度改革国民会議報告書(2013年8月6日)が公表された2日後の13年8日8日に、同報告書に積極的に対応するために、日本医師会と四病院団体協議会は合同提言を発表しました。

その柱は二つあります。一つはかかりつけ医機能であり、もう一つは病院機能の類型です。かかりつけ医機能については、前述のかかりつけ医の定義を再確認するとともに、かかりつけ医機能を明確に示した上で、その充実・強化に自ら取り組む方針を示しました。

そのかかりつけ医機能を以下に示します。「かかりつけ医は、日常行う診療においては、患者の生活背景を把握し、適切な診療及び保健指導を行い、自己の専門性を超えて診療や指導を行えない場合には、地域の医師、医療機関等と協力して解決策を提供する。自己の診療時間外も患者にとって最善の医療が継続されるよう、地域の医師、医療機関等と必要な情報を共有し、お互いに協力して休日や夜間も患者に対応できる体制を構築する。日常行う診療の他に、地域住民との信頼関係を構築し、健康相談、健診・がん検診、母子保健、学校保健、産業保健、地域保健等の地域における医療を取り巻く社会的活動、行政活動に積極的に参加するとともに保健・介護・福祉関係者との連携を行う。また、地域の高齢者が少しでも長く地域で生活できるよう在宅医療を推進する。患者や家族に対して、医療に関する適切かつわかりやすい情報の提供を行う」。そして、今後は社会的機能がより重要になります。

鈴木邦彦(医療法人博仁会志村大宮病院理事長・院長)[かかりつけ医①]

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