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■NEWS 初診時のオンライン診療を時限的に容認、初診料214点

No.5008 (2020年04月18日発行) P.73

登録日: 2020-04-13

最終更新日: 2020-04-21

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厚生労働省は4月10日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の急激な拡大に対応するため、初診時も含めオンライン診療(情報通信機器を用いた診療)・電話診療を時限的に容認することを決め、具体的な取り扱いを定めた事務連絡を同日付で全国に送付した。

加藤厚労相

政府はこれまで、COVID-19への対応としてオンライン診療の取り扱いを緩和する中で、初診については対面診療の原則を維持してきたが、感染の急激な拡大で医療機関への受診が困難なケースが増えていることから、4月7日に閣議決定した緊急経済対策で「初診対面原則の時限的緩和」の実施を明記。

厚労省はこれに基づき、「時限的・特例的な対応」として、初診時も含めてオンライン診療・電子診療を容認することを決め、医療機関・薬局での対応、診療報酬上の取り扱いなどを整理した。

加藤勝信厚労相は10日の記者会見で、「電話や情報通信機器を用いた診療について、緊急経済対策の方針に則って初診からの対応を可能とすることにした。多くの国民の皆さんに活用していただけるよう、専用の機器やアプリケーションがない場合であっても、電話があれば医師の判断で診断や処方を受けられることとし、薬についても薬局の薬剤師が電話等で服薬指導した上で、配送等により届けることができることとする」と、電話診療もオンライン診療と同じ扱いにして推進する考えを表明。

「医療機関や薬局ですぐに取り組んでいただけるよう、今日(10日)にでも通知を発出する。具体的には週明け(13日)からこうした取り組みがスタートすることになる」と述べ、速やかに実施に移す意向を示した。

「必要に応じて対面診療に移行」などが条件

10日付の事務連絡によると、初診からオンライン診療・電子診療を実施する場合は、必要に応じて対面診療への速やかな移行や他医療機関への速やかな紹介ができることが条件。

オンライン等での診療の際は、①できる限り診療録等で患者の基礎疾患の情報を把握・確認した上で診断・処方を行う、②基礎疾患の情報が把握できない場合は処方日数の上限を7日間とする、③抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤等のハイリスク薬は処方してはならない─としている。

オンライン診療・電話診療の初診料は214点。医薬品の処方を行った場合、あるいは、患者が希望する薬局にFAX等で処方箋情報を送付した場合は、調剤料、処方料、処方箋料、調剤技術基本料、薬剤料を算定できる。

厚労省HP等で実施医療機関公表へ

厚労省は、都道府県から提供される情報をもとに、オンライン診療・電話診療を実施する医療機関の一覧を作成し、同省ホームページ等を通じて国民・患者に周知する方針。事務連絡では、オンライン診療・電話診療の実施を医療機関が広告することも可能としている。

今回の初診対面診療の原則の緩和はあくまでも時限的な対応であり、厚労省はその期間についてCOVID-19の「感染が収束するまでの間」としている。ただ、今後の効果検証によって国内でのオンライン診療の本格実施につながる可能性があり、医療現場でどこまでトラブルなく運用されるか注目される。


【関連情報】

厚労省ホームページ内「新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえたオンライン診療について」

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