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子宮内膜細胞診の液状検体法の実際,診断精度について

No.5005 (2020年03月28日発行) P.49

中島彰俊 (富山大学医学部産科婦人科学教室講師)

黒川哲司 (福井大学医学部産科婦人科学准教授)

登録日: 2020-03-27

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  • 液状化検体細胞診法は子宮頸部細胞診で臨床的に使用されますが,子宮内膜細胞診での臨床応用は拡がってきません。この点について,その精度と問題点,今後の臨床応用の可能性をご教示下さい。
    福井大学・黒川哲司先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    中島彰俊 富山大学医学部産科婦人科学教室講師


    【回答】

    【エビデンスが報告され,世界で注目されつつある】

    子宮内膜細胞診は,わが国では1982年の老人保健法により検診事業に導入されてから,子宮体癌の除外を目的に頻用されています。近年,子宮体癌の罹患率が急激に増加しているため1),子宮内膜細胞診の役割は大きくなってきています。しかし,世界のほとんどの国では子宮内膜細胞診は実施されていません。その原因は,1970年代の米国からの内膜細胞診の問題点を指摘した論文2)により米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration:FDA)が検査としての認可を取り消したからです。

    指摘された問題点は2つです。1つは不適正検体率の高さであり,もう1つが感度の低さでした。
    前者の解決策として,筆者らは,頸部細胞診で導入された液状検体法を採用することで不適正検体を減らすことを報告しました3)。しかし,感度の低さを解決することには繋がりませんでした。ここで,液状検体法子宮内膜細胞診は2つの問題点を持つことが明らかになりました。

    1つが,検鏡する細胞量が増え,診断の邪魔になる血液を除去することができ検鏡が行いやすくなるにもかかわらず,直接塗抹法と同じ診断基準で行うと感度が上がらないことです。もう1つが,直接塗抹法と比較して検体作製に手間がかかることです。これが,中島先生から頂いたご質問である「なぜ,液状検体法子宮内膜細胞診の臨床応用が拡がらないのか」の答えになると考えます。

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