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特集:身近に潜む冬の中毒 初期対応とピットフォール

No.4997 (2020年02月01日発行) P.18

小島直樹 (公立昭和病院救命救急センター担当部長)

登録日: 2020-01-31

最終更新日: 2020-01-29

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1996年東京大学卒,同医学部附属病院を経て,現職に至る。Walk inから3次救急まで垣根のない救急医療,および集中治療に日々従事

1 冬の中毒
・細菌性食中毒は夏に多く発生し,ウイルス性胃腸炎は冬に多い。
・ウイルス性胃腸炎のほとんどがノロウイルスである。

2 中毒の初期対応は特殊なもの?
・中毒関連疾患でも初期対応は他疾患と同様であり特別なものではない。
・患者を脱衣させる乾的除染だけでも80%の除染が可能といわれている。

3 中毒疾患の診断,はじめの一歩
・なにはともあれ,疑わなければ始まらない。
・個々の特有の身体症状や,同系統の原因物質の推測,つまりトキシドロームからの鑑別を進める。

4 冬の中毒の代表的疾患─生牡蠣によるノロウイルス感染
①ノロウイルスとは?
・感染力が非常に強く容易に感染伝播するが,過去10年間で死亡例はない。
②ノロウイルスによる症状
・24~48時間の潜伏期間がある。
・激しい嘔吐や下痢,胃腸炎,また,高熱を生じるが,2〜3日で軽快する。
③ノロウイルスの診断法
・臨床症状や発生状況などから総合的に診断する。
・迅速ノロウイルス抗原検査は,保険適用,偽陰性に注意する。
④ノロウイルスに対する治療・予防策
・治療の主体は脱水補正であり,止痢剤は禁忌。
・加熱は85~90℃で90秒以上。消毒は次亜塩素酸ナトリウムを用いる。

5 冬の中毒の代表的疾患─フグ中毒
①フグ中毒の病態
・原因物質はテトロドトキシンで運動,知覚,自律神経系を障害する。
②フグ中毒の症状
・フグ中毒の死亡率は60%と高く,死亡原因は呼吸停止および循環不全である。
③フグ中毒に対する診療
・緊急初期治療として呼吸管理が重要。
・特殊な解毒剤はなく,多くの場合24時間以内に症状は消失する。

6 冬の中毒の代表的疾患─一酸化炭素(CO)中毒
①CO中毒の病態
・全身の低酸素障害が主病態である。
②CO中毒の症状
・最も現れやすい症状は頭痛およびめまい。
・心毒性としては,急性心筋梗塞,狭心症,不整脈が生じる。
③CO中毒の診断
・3つの視点,aCO中毒に一致する症状,bCOに曝露された経過,c COHbの上昇,から総合的に診断する。
・動脈血液ガス分析,SpO2はあてにならない。
④CO中毒の治療
・積極的な酸素投与,補助換気を,COHbが5%以下になるまで継続する。
・高気圧酸素治療(HBO)療法の有効性には賛否両論ある。
⑤CO中毒のピットフォール
・間欠型一酸化炭素中毒と呼ばれる病態があり,退院後も経過観察を行う。

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