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大気汚染の周産期への影響について

No.4992 (2019年12月28日発行) P.63

吉里俊幸 (久留米大学医学部産婦人科学講座教授)

諸隈誠一 (九州大学大学院医学研究院保健学部門教授)

登録日: 2019-12-25

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  • 環境省主導で,わが国で10万組の子どもおよびその両親を対象とした大規模な疫学調査である「子どもの健康と環境に関する全国調査」(いわゆるエコチル調査)が2011年より開始され,様々な環境要因が子どもの成長,発達にどのような影響があるか調査が行われています。九州大学・諸隈誠一先生に,大気汚染の周産期への影響について概説して頂きたいと思います。

    【質問者】

    吉里俊幸 久留米大学医学部産婦人科学講座教授


    【回答】

    【現在のわが国の大気汚染状況であっても,周産期の様々な疾患発症に影響を及ぼしている】

    世界保健機関(WHO)は2019年1月,世界の健康への10大危機を発表しました。はじめの2項目は,「大気汚染と気象異常」「不摂生や大気汚染で生じやすくなる糖尿病・がん・心疾患などの非感染症」であり,大気汚染が世界的に問題視されていることがわかります。

    1950~60年代,ロンドンスモッグ事件や四日市喘息など,世界各地の大気汚染は多くの死者を出し,いわゆる公害が問題となっていました。その後,環境対策によって,一部の地域を除き大気の状況は改善されてきたように思われました。しかし,近年の大気汚染レベルであっても様々な疾患にいまだに影響を及ぼしていることが明らかとなっています。

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