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CKD診療における吸着炭薬の役割・効果・使い方

No.4953 (2019年03月30日発行) P.52

山本 卓 (新潟大学医歯学総合病院血液浄化療法部准教授)

登録日: 2019-03-29

最終更新日: 2019-03-26

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  • 慢性腎臓病(CKD)の発症は,高齢化社会に伴い増加傾向にある

    CKDが進行すると,全身疾患の合併リスクが増悪する。その原因のひとつにウレミックトキシン(UTs)の蓄積が挙げられる

    吸着炭薬は進行性のCKD患者(透析導入前)に使用される。経口的にUTsを吸着除去することで,腎機能の低下を抑制することを目的とする

    吸着炭薬使用目的,使用法,副作用を理解し,アドヒアランスを維持する工夫が必要である

    1. 慢性腎臓病(CKD)とウレミックトキシン(UTs)

    日本腎臓学会の調査によると,わが国の成人におけるCKD患者数割合は12.9%と推計される。そのうち糸球体濾過量(glomerular filtration rate:GFR)が60mL/分/1.73m2未満の慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)ステージG3~5は10.64%と推計され,CKDは日常臨床で遭遇する頻度が高い1)。CKDは進行すると末期腎不全に至るだけでなく,心血管病による死亡リスクが高くなる。CKDステージG5になると心血管病による死亡リスクは,蛋白尿のない腎機能正常群と比較して4.8~14倍増大する2)。以上から,CKDの進展を抑制することで透析導入患者の減少や心血管イベントの軽減が期待される。

    CKDのステージングはGFRによって行われ,推定GFR(estimated glomerular filtration rate:eGFR)は血清クレアチニン値と性別,年齢から算出される。クレアチニンは,本来腎臓から尿として排出されるべき老廃物のひとつであり,それらの分子はウレミックトキシン(uremic toxins:UTs)と総称される。UTsは腎臓病の進行に伴い血中濃度が増加し,それに伴う臓器障害を臨床的,基礎的研究で示された分子であると定義され,水溶性低分子,中分子,そして蛋白結合分子(protein-bound uremic toxins:PBUTs)に分類される。近年の調査でインドキシル硫酸,インドール酢酸あるいはp-クレシル硫酸など数種のPBUTsは,CKDステージが進行すると血中濃度が増加し,これらの血中濃度の高値群は低値群と比較して心血管病による死亡が多いことが知られている3)~5)

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