【質問者】
舘 佳彦 藤田医科大学ばんたね病院消化器内科講師
【慢性肝疾患はサルコペニア危険群であることを意識する必要がある】
加齢に伴って筋力・筋量が低下することをサルコペニアと定義(Rosenberg,1989)しています。近年,慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)や腎不全,心不全など,慢性疾患においても二次性にサルコペニアを高頻度に合併することが知られてきました。慢性肝疾患においても同様にサルコペニアが合併します。当院の800例を超す外来患者での検討では,肝硬変Child-Pugh B/C,Child-Pugh A,慢性肝炎において,少なくとも筋力・筋量のいずれかが異常を呈する症例は67%,44%,31%と思いのほか高率でした(うちサルコペニア率は各16.7%,4.8%,3.9%)。
日本肝臓学会から,2016年には肝疾患におけるサルコペニア診断基準が提唱されて,臨床で使用されるようになりました。
残り1,043文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する